家族と自由(「理由」を読んで)
宮部みゆきの「理由」読みました。
殺人事件の真相をドキュメンタリー風にインタビュー形式で追っていく。
たくさんの登場人物が出てくるけど、一人一人の背景描写も細かく、1冊読み終わったときに、「家族」と言うものについて考えさせられた。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/06/29
- メディア: 文庫
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それで考えたこと。
私は箱入り娘だったと思う。
心配性で過保護な両親に大事に育てられた。
今となっては、感謝と尊敬だけれども、思春期の私はその箱から抜け出したかった。
親から自由になり、手の届かない遠くに行きたいって思ってた。
家族だけじゃない。自分を取り巻くいろんなしがらみから自由になりたかった。
だから、九州から東北の大学に行ったりした。就職後も一人暮らしで、一人を満喫してた。
でも、一人の家に帰るのは嫌だった。
だから、遅くまで学校に残ったりがバイトで時間を使ったりしてた。
仕事もダラダラ残ったり、飲みに行ったりしてた。
両親からは、まあ連絡はあり、実家に帰ると、待ってる家族がいた。
結婚して子どもが生まれても、両親の中ではやっぱり私は箱入り娘であり続けている。
かごの鳥は、大空に羽ばたいたつもりでしたが、足首には、しっかり紐がついてました。
けれど、もとの場所にかごがあって、迷わないよう紐がついてるってことは、幸せなことかもしれないなと気づきました。
私が憧れてた「自由」って、本当は孤独で、心細く、淋しいものな気がする。
強くないと本当の自由にはなれない。