きれいごと翻訳機
昔はけんかっぱやくて、口も達者で、言葉も悪かった。
ケンカでも議論でも負けてなかった。
けど、いつからか、頭が鈍くなったのか、一言一言考えないと口をついて言葉がでなくなった。
メールするようになってからかな?
口に出す言葉は、書いて消すことはできないけど、メールはじっくり考えられるし、書き直しがきくから、自分の頭から取り出して形にするのも、ワンテンポ遅くなったのかもしれない。
そうすると、それに合わせて、頭の回転も舌の回転も鈍くなった…気がする。
考えて取り出した言葉は、相手に不快な思いをさせないようにとか、誤解を招かないようにとか、感じ悪くならないようにとか、そういう意図が挟まるから、良い人の言葉になる。
良い人の言葉を発するようになった私は、ますます本音がさらっと出ずに、考えて当たり障りのない言葉に変換して、アウトプットする。
きれいごと翻訳機
最近はいくら、
「はぁ?なん言いよん、意味わからん。」と思ってても、心の声がそのままの言葉にならず、「へぇ、いいんじゃない?」とか言ってる。
きれいごと翻訳機が頑張るほど、私は良い人になり、黒い本音は埋もれてしまう。
黒い本音を抱えた私だけが知る私が本物か
翻訳された言葉を話す周りから見えてる私が本物か