そして母になる⑥妊娠中の体の変化
妊娠中は自分のからだが自分のものじゃなくなっていくみたいだった。
それが新鮮でもあり、戸惑いでもあった。
■つわり
つわりって、医学的にもはっきりとした原因はわからないらしい。
精神的なものも関係するとかしないとか、一人目と二人目でも違うとか、俗説いろいろ。
私はつわりらしいものを感じる機会はついになかった。
吐き気とか、体調不良とか。
会社の上司にも何度も何ともないの?と聞かれた。
強いて言うなら、一時期すごくおなかがすくことがあった。ぐーぐーお腹がなってた。
食べてないと気持ち悪くなる「食べづわり」ってのもあるらしいけど、気持ち悪くなるほどじゃなかった。
あと、何をしてても眠くて仕方なくなる時があった。
軽かった(無かった)ことで、初期は妊婦の自覚が薄く、いつも通りだった。
■体重
胎盤や羊水、胎児の発育に伴って体重は増えた。
昔は「二人分食べろ」とか言われてたらしいけど、今は体重管理が厳しいところが多い。
これも、妊娠高血圧症を防ぐため。
体形によって何キロまで増えて良いとか目安がある。
それでも、やせ形のひとで最大12キロだった。
里帰り先の病院が体重管理が厳しくて、臨月ですでに妊娠前+10キロだったので、そのままキープするように言われた。
だけど、妊娠前とさほど変わらない量しか食べてなかったから、減らすのも変だ…と思ったけど、減らすように言われてビックリした。
それだけ飽食の時代ってことなのかもしれないけど…
私の場合、体重が増えた分実になってるというよりは、むくみだった。
からだが水分を蓄えてたみたい。
それで、出産後は体から水分が面白いように抜けて、あっという間に体重も減っていった。
体が重くなる分、足への負担は大きかったかな。立ち座りがおっくうだった。
■あそこ
妊娠中のエッチはこわかったけれど(特に安定期までは)、普通になら、しても大丈夫なようで、禁止はされなかった。
7ヶ月くらいまではしたかな。
だけど、からだがエッチするモードになる必要がないからか、あそこが濡れるけれど、さらさらしてた。
粘性が弱い…というか。
出産後は濡れないって事態に見舞われて焦ったけど。。
■メンタル
よく、マタニティーブルーとか、産後うつとか言われてる。
ホルモンバランスの関係で、精神的にも不安定なんだとか。
自覚はしてなかったけど、産後は実家でそれこそ10年ぶりくらいに家族と暮らすと言うことで、育児っぷりも見られてるようなプレッシャーを感じて、鬱々してた。
3ヶ月くらいお世話になるつもりでいたけど、お互い耐えられなくなり、1ヶ月半で自宅に戻ってからは、伸び伸びと過ごせるようになった。
けど、夫にたいして、厳しくなってしまったかも…
■おなか
当然大きくなります。
前に突き出るように大きくなるタイプと、横に広がるように大きくなるタイプがいるようで、私は前者だった。
下が見えなくなったり、かがむのにお腹がつっかえたりするのを体験しては、太っておなかが出てる同僚(男)を思いだし、親近感を抱いてた。
あと、妊娠線(肉割れみたいなの)は、できなかった。乳液+オリーブオイルで対策してた。
予防する高いクリームにはお世話にならずにすんだ。
■胎動
その内、お腹が動くようになる。
最初は、ぶつかるような叩かれてるような感覚だったのが、赤ちゃん的にもだんだん狭くなって空間に余裕がなくなってきたことで、ぐにゅぐにゅと手足を伸ばす動きに変わっていった。
胎動感じて、ようやく、お腹に何か自分じゃないものがいるなぁって気持ちを持てるようになった。
■肌
化粧水とかつけなくても、潤ってる!って感じだった。肌トラブルもなく、女性ホルモンサマサマ!
■毛
女性ホルモンのおかげなのか、手足の毛が薄くなりました。
そして、おそらく、髪が多くなってた。
その反動なのか、今抜ける抜ける!
髪洗う度に、ひぇーって感じです。
妊娠が終わると、良かったことも不便たったことも、無かったことのように元通りになっていった。
自分の意思とか、意識とか関係なく、プログラム通りに変わっていく経験を通じて、
「自分」って存在が、自分の知らないものに操られてる「入れ物」って感覚をもった。
人類が皆、兄弟
みたいな気分になってた。